キングダム891話では、匈奴との戦いを避け続ける李牧の本当の考えと、その生き方を決定づけた過去が明らかになりました。
李牧が雁門へ赴任してから、匈奴に奪われた羊は一匹もおらず、兵や民にも一人の犠牲者すら出ていません。
その裏では李牧自身が単騎で匈奴側の地形を調べ、侵入経路を予測したうえで狼煙や障害物を準備するなど、徹底した防衛策を進めていました。
雁門の太守である北守様をはじめ、多くの者が李牧の功績を雁門の勝利として喜びます。
しかし、家族を匈奴に殺されたカイネだけは納得できません。
戦わなければ家族の無念を晴らすことはできないと訴えるカイネに対し、李牧はかつて復讐のために敵将を討ち、その代償として従兄弟や幼馴染たちを失った若者について語り始めました。
その若者とは、李牧自身だったのでしょうか。
仲間の命だけではなく、カイネ自身の命も守られるべきものだと伝える李牧。
ところが891話の最後では、匈奴と戦わないことを問題視した趙王から李牧を更迭し、邯鄲へ呼び戻す命令が下されます。
この記事ではキングダム891話の内容を振り返りながら、李牧が匈奴と戦わない理由やカイネに語った過去、そして突然の更迭が今後の雁門に与える影響について考察します。
「キングダム」890話考察

キングダム890話では、雁門の指揮官に就任した李牧が不戦逃避を徹底し、匈奴との戦いを望むカイネたちとの対立がさらに深まりました。
李牧は住民や家畜を砦へ避難させ、匈奴が村を焼き払っても兵士たちに出撃を許しません。馬南慈まで反対する状況でも方針を変えず、自ら木材を運びながら砦の強化を続けています。
そして匈奴が砦の前で挑発を繰り返したことで、カイネの怒りは限界を迎えました。
家族を匈奴に殺されたカイネは命令を破って出撃しようとしますが、李牧によって馬から引きずり下ろされ、最後には気絶させられてしまいます。
なぜ李牧は雁門兵から反発されても戦わなかったのでしょうか。また、カイネを力ずくで止めた行動には、どのような意味があったのでしょう。
キングダム890話の考察では、李牧の不戦逃避に隠された戦略と、カイネが後に李牧を信頼するようになる理由について掘り下げていきます。
不戦逃避にこだわる理由とは?
890話で最も注目したいのは、李牧が匈奴との戦闘を避けながらも、雁門の防衛体制を着実に整えていることです。
李牧は周辺の住民を砦へ避難させるだけでなく、羊や食料まで運び込ませています。
その結果、匈奴が村を襲っても奪えるものは残されておらず、住民が殺されることも防げました。
一方で、匈奴は何も得られないまま村を焼き払い、さらに砦の前まで進軍して雁門軍を挑発しています。
カイネたちにとっては屈辱的な状況ですが、李牧の立場から考えると、すでに一定の成果を上げているともいえるでしょう。
これまで雁門では匈奴が襲来するたびに戦闘が発生し、多くの兵士や住民が命を落としてきたと考えられます。
しかし李牧が指揮官となってからは、敵が襲来しても住民を安全な場所へ避難させ、兵士の犠牲も抑えることができています。
つまり李牧は、匈奴を倒すことよりも、匈奴に被害を与えられない状況を作ることを優先しているのではないでしょうか。
ただし、李牧の目的が防衛だけとは限りません。
890話では、李牧が自ら木材を担ぎながら砦の強化を続けていました。
さらに兵士たちには藁人形を相手に訓練を続けさせており、戦わない間にも軍の戦力を高めています。
ここから考えられるのは、李牧が匈奴との決戦に向けて準備を進めている可能性です。
匈奴は騎馬兵の機動力を生かした戦いを得意としているため、雁門軍が怒りに任せて出撃すれば、相手の得意な戦場へ引き込まれてしまいます。
李牧はその危険を避けながら兵力を温存し、匈奴を確実に倒せる状況が整うまで待っているのでしょう。
また、何度襲っても雁門軍が戦おうとしなければ、匈奴は李牧を臆病な指揮官だと判断する可能性があります。
その結果、匈奴の警戒心が薄れ、これまで以上に大胆な行動を取るようになるかもしれません。
李牧が狙っているのは、匈奴が雁門軍を完全に侮る瞬間ではないでしょうか。
実際に史実の李牧も、匈奴との戦闘を避けながら兵士を鍛え、十分な準備を整えた後に大きな勝利を収めたと伝えられています。
キングダムでも史実を踏まえた展開になるのであれば、李牧の不戦逃避は匈奴を油断させるための戦略だったと考えられるでしょう。
さらに重要なのは、李牧が兵士たちの不満を理解しながらも方針を変えないことです。
馬南慈まで反対している以上、李牧も雁門軍の士気が低下していることには気づいているはずです。
それでも出撃を認めないのは、一度でも感情に任せた戦闘を許してしまえば、これまで積み重ねてきた準備が無駄になるからではないでしょうか。
李牧にとって不戦逃避は消極的な防衛策ではなく、匈奴との戦いを根本から変えるための重要な作戦なのだと思います。
カイネを殴った意味とは?
890話では、匈奴の挑発に耐えられなくなったカイネが命令を破って出撃しようとしました。
しかし李牧はカイネを馬から引きずり下ろし、涙ながらに殴りかかってきたカイネを拳で気絶させています。
この場面で考えたいのは、李牧がなぜカイネをそこまでして止めたのかという点です。
カイネは幼い頃に匈奴の襲撃を受け、父親と母親、そして妹を失いました。
そのためカイネにとって匈奴との戦いは、雁門を守るためだけのものではありません。
家族を奪った相手への復讐であり、自分自身が生き続ける理由にもなっているのでしょう。
そんなカイネにとって、匈奴を目の前にしながら戦うことを許されない状況は、家族を失った時の無力感を思い出させるものだったのかもしれません。
890話でカイネが涙ながらに李牧へ殴りかかったのも、単に命令へ反発したからではないと思います。
目の前に仇がいるのに何もできないという苦しさが、怒りとなって爆発したのではないでしょうか。
一方の李牧は、そんなカイネの感情に流されることなく、出撃を止めています。
もしカイネが一人で砦の外へ飛び出していれば、匈奴の騎馬兵に囲まれ、命を落としていた可能性があります。
さらにカイネを助けようとした雁門兵まで出撃すれば、被害は一人では済まなかったでしょう。
李牧はそうした事態を防ぐため、カイネを力ずくで止めたと考えられます。
ただし、李牧の行動には軍の規律を守ること以上の意味があったのかもしれません。
李牧はカイネの怒りを否定するのではなく、怒りによって命を失うことを許さなかったのではないでしょうか。
カイネは家族を守れなかった過去を抱えていますが、李牧は今生きている人々を守るために行動しています。
ここには二人の戦いに対する考え方の違いが表れていると思います。
カイネにとって戦うことは復讐を果たすための手段ですが、李牧にとって戦うことは人々の命を守るための手段なのでしょう。
そのため李牧は、敵を倒す機会があっても犠牲が大きくなるのであれば戦いを避けます。
反対に、確実に勝てる状況が整えば、迷わず匈奴との決戦に踏み切るのではないでしょうか。
現在のカイネが李牧を誰よりも信頼していることを考えると、今回の対立は二人の関係を変える重要な出来事になると思います。
ただし890話の段階では、カイネが李牧の考え方を理解したわけではありません。
むしろ李牧への不信感はさらに強まっているため、今後の戦いを通じて少しずつ認識が変わっていくのでしょう。
李牧が匈奴を相手に結果を出した時、カイネは初めて戦わなかった理由を理解するのではないでしょうか。
カイネが李牧を信頼するようになる理由とは?
890話までの雁門回想で気になるのは、李牧とカイネの関係が現在とは大きく異なっていることです。
現在のカイネは李牧に絶対的な信頼を寄せていますが、雁門時代には命令へ激しく反発し、最後には本人へ殴りかかるほど怒りを抱いていました。
それほど対立していた二人が、なぜ現在のような関係になったのでしょうか。
その理由を考えるうえで重要なのが、カイネの過去です。
カイネは匈奴によって家族を奪われてから、復讐のために剣と馬術を鍛えてきました。
しかし、どれほど多くの匈奴を倒しても、失った家族が戻ってくるわけではありません。
さらに戦いを続ければ、今度はカイネ自身が命を落とす危険もあります。
李牧は、そうした復讐の連鎖を終わらせようとしているのではないでしょうか。
実際に李牧は匈奴が襲来しても住民を避難させ、村を焼かれることを受け入れながら人々の命を守っています。
カイネから見れば屈辱的な行動ですが、住民に犠牲が出なければ、家族を失って復讐を誓う人間が新たに生まれることも防げます。
李牧は匈奴を倒すことだけではなく、雁門で暮らす人々が安心して生きられる状況を作ろうとしているのかもしれません。
そしてカイネがその考え方を理解した時、李牧に対する評価が大きく変わる可能性があります。
特に李牧が匈奴との決戦で勝利を収めれば、カイネは戦わなかった理由を実感することになるでしょう。
これまで臆病だと思っていた指揮官が、実は誰よりも先の展開を読んでいたと分かれば、驚きを隠せないはずです。
さらに李牧が住民と兵士の命を守りながら勝利するのであれば、カイネにとって理想の指揮官となる可能性もあります。
ただし、今回の回想が描かれている理由は、李牧とカイネの過去を紹介するためだけではないと思います。
現在のカイネは、趙軍に捕らえられた河了貂と向き合っています。
河了貂は秦軍の軍師であり、本来ならカイネにとって敵となる存在です。
それでもカイネは河了貂が命を落とすことを望んでおらず、二人の間には敵味方だけでは割り切れない関係が生まれています。
もしカイネが李牧から人の命を守ることの大切さを学んだのであれば、河了貂を見捨てられない理由にもつながるでしょう。
かつてのカイネは、匈奴への復讐を何よりも優先していました。
しかし李牧との出会いによって、敵を倒すことだけが正しい選択ではないと学んだのかもしれません。
そして現在の河了貂を前にしたカイネは、かつて李牧が自分を守ってくれた時と似た状況に置かれているのではないでしょうか。
李牧が命令を破ろうとしたカイネを止めたように、今度はカイネが河了貂の命を守るために行動する可能性があります。
もちろん、河了貂を助けることは趙軍の立場から見れば簡単な判断ではありません。
しかし今回の雁門回想がカイネの価値観を変えた出来事を描いているのであれば、その経験が現在の決断にも大きく関係してくると思います。
キングダム890話考察まとめ
キングダム890話では、李牧の不戦逃避に対するカイネの怒りが爆発し、二人の考え方の違いが明確になりました。
李牧は匈奴との戦闘を避けながら住民を砦へ避難させ、兵士の訓練や防備の強化を進めています。
その行動は雁門兵から臆病だと受け取られていますが、実際には兵力を温存しながら匈奴との決戦に備えている可能性があります。
また、李牧がカイネを力ずくで止めたのも、復讐心に任せて出撃すれば命を落とす危険があったからではないでしょうか。
カイネは匈奴を倒すために戦おうとしていますが、李牧は雁門で暮らす人々の命を守るために戦いを避けています。
この違いこそ、今回の雁門回想で重要な意味を持っていると思います。
そして李牧が匈奴を相手に勝利を収めれば、カイネは戦わなかった理由を理解し、李牧への信頼を深めていく可能性があります。
さらに、今回の回想は現在の河了貂との関係にもつながっているのではないでしょうか。
かつて李牧に命を守られたカイネが、今度は敵である河了貂を守るために行動するのであれば、雁門時代の経験が現在の決断に生かされることになります。
891話では李牧の不戦逃避に隠された戦略が明らかになり始め、カイネが李牧を信頼するようになるきっかけが描かれるのかもしれません。
「キングダム」891話ネタバレ確定

キングダム891話は、前回に続いてカイネが雁門で過ごしていた過去が描かれます。
匈奴への復讐心を抑えられず、李牧の命令を無視して出撃しようとしたカイネでしたが、最後には李牧によって気絶させられてしまいました。
891話では牢に入れられたカイネのもとへ馬風慈が現れ、斬首にはならないことを伝えています。
その後、李牧が雁門へ赴任してからしばらく時間が経過したようで、カイネも牢から出されていました。
しかし李牧は依然として匈奴との戦いを避け続けています。
ところが一見すると逃げているだけにも見える李牧の戦略によって、雁門では驚くべき結果が出ていました。
兵士だけではなく民も犠牲になっておらず、さらに羊一匹すら匈奴に奪われていなかったのです。
それでも復讐を望むカイネは納得できません。
そんなカイネに対して李牧は、自分自身の壮絶な過去を語り始めます。
そして物語の最後には、匈奴と戦おうとしない李牧に対して趙王が動き、まさかの更迭命令が下されることになりました。
雁門の太守は大喜び
キングダム891話は、牢の中で頭を冷やしているカイネのもとへ馬風慈がやって来るところから始まります。
前回のカイネは李牧の命令を無視して匈奴へ向かおうとしたため、かなり重い処罰を受けてもおかしくない状況でした。
しかし馬風慈によると、少なくとも斬首されることはないようです。
その後は少し時間が経過したようで、カイネも牢から出されていました。
李牧が雁門へ赴任してからも、民たちは匈奴の襲撃に備えて羊を守りながら移動する生活を続けています。
一見すると李牧が赴任する以前と大きく変わっていないようにも見えますが、実際には驚くほど大きな変化が起きていました。
李牧が雁門へやって来てから、羊が一匹たりとも匈奴に奪われていなかったのです。
さらに驚くべきことに、兵士だけではなく民も一人として匈奴に殺されていません。
これには雁門の太守と思われる北守様も大喜びし、李牧へ抱きついてしまうほどでした。
匈奴を一人も倒していないにもかかわらず、雁門側にも一人の犠牲者も出ていないのであれば、北守様が喜ぶのも当然でしょう。
しかも李牧は、単純に匈奴が現れたら砦へ逃げ込むという方法を取っていたわけではありません。
李牧は自ら単騎で匈奴側の奥深くまで入り込み、周辺の地形を徹底的に調査していました。
そこから匈奴がどの道を通って雁門へ侵入してくるのかを予測し、狼煙を使った連絡網を作るだけではなく、進軍を遅らせるための障害物まで準備しています。
つまり民や家畜を避難させるという単純に見える作戦の裏側には、李牧による緻密な計算と膨大な準備があったのでしょう。
匈奴の侵入経路を事前に把握しているからこそ、襲撃される前に民と家畜を安全な場所へ移動させることができます。
その結果、李牧が雁門へ赴任してからは兵も民も羊も失っていません。
匈奴を討ち取ったわけではありませんが、味方を一人も失わずに領土を守り続けていることを考えれば、これを雁門の勝利だと称える者が現れるのも分かります。
敵を何人倒したのかではなく、自分たちが何を守れたのか。
この考え方こそ、若き日の李牧がすでに持っていた将軍としての基本だったのではないでしょうか。
カイネをなだめる李牧
雁門では犠牲者を一人も出していない李牧が称賛されていますが、カイネだけは素直に喜ぶことができません。
カイネにとって匈奴は、単なる雁門の敵ではないからです。
幼い頃に匈奴の襲撃によって家族を失ったカイネにとって、戦わずに逃げ続ける李牧の方法では何も解決していないように感じられたのでしょう。
周囲が李牧を称賛する中、納得できないカイネは再び怒りを爆発させ、そのまま宴会の席から立ち去ってしまいます。
そして砦の壁の上で、一人で涙を流していました。
そんなカイネのもとへやって来たのが李牧です。
李牧は感情的になっているカイネを責めるのではなく、なぜ自分が匈奴と戦わないのかを説明しました。
李牧によれば、匈奴と正面から戦って討ち破るためには十万規模の兵力が必要になるようです。
現在の雁門にそれだけの戦力はありません。
復讐心だけで匈奴との決戦へ向かったとしても、雁門軍が勝利できる可能性は極めて低く、むしろ多くの兵士や民を失う結果になるでしょう。
だからこそ李牧は、今は守りに徹するしかないと判断しています。
さらに李牧は匈奴の特徴もしっかりと分析していました。
匈奴は馬上での戦闘では圧倒的な強さを誇りますが、攻城戦については得意ではありません。
それならば無理に平地へ出て騎馬戦を挑む必要はなく、匈奴が苦手とする砦を利用して味方を守る方が合理的です。
李牧は周囲から臆病者と罵られたとしても構わず、味方には指一本触れさせないことが自分の役目だとカイネへ伝えます。
この言葉には、後に趙国最強クラスの将軍となる李牧の考え方がすでに表れているように感じます。
李牧にとって戦争とは、敵を倒して自分の強さを証明するためのものではなく、守るべき人間を生かすための手段なのでしょう。
しかしカイネには、その考えを簡単に受け入れることができません。
戦わなければ殺された家族の無念を晴らすことができないと、李牧に対して感情をぶつけます。
家族を殺されたカイネにとっては、何人守ることができたとしても、匈奴を倒さなければ過去は終わらないのでしょう。
そこで李牧は、カイネに自分自身の過去を語り始めることになります。
カイネと同じ過去があった?
李牧は怒りを抑えられないカイネに対して、かつてカイネと同じような目をしていた若者がいたと語り始めます。
その若者も家族を敵に殺され、強い復讐心を抱えていました。
家族の弔いを果たすためなら将の命令すら聞かず、ただ敵将を討つことだけを考えて戦い続けていたといいます。
そして最終的に、その若者は敵将を討つことに成功しました。
一見すれば復讐を果たし、目的を達成したことになります。
ところが、その代償はあまりにも大きなものでした。
敵将を討つために戦い続けた結果、自分についてきた従兄弟も幼馴染もすべて失い、最後には自分一人だけが残されてしまったのです。
家族を殺した敵を討てば心が救われると思っていたのでしょう。
しかし実際に残ったのは復讐を成し遂げた達成感ではなく、耐えることができないほど大きな喪失感でした。
ここまで話を聞いたカイネも、その若者が誰なのか気づいたのではないでしょうか。
李牧自身の過去だったと考えるのが自然だと思います。
つまり李牧がカイネに復讐をやめろと話しているのは、戦争を知らない人間が理想論を語っているからではありません。
李牧自身が復讐に突き進み、その結果として大切な人間をすべて失った経験があるからこそ、カイネに同じ道を歩ませたくないのでしょう。
李牧がカイネを無理やり止めた理由も、ここで大きく意味が変わってきます。
前回は出撃しようとするカイネを殴って気絶させましたが、それは命令違反をした部下への単純な処罰ではなかったのだと思います。
若い頃の自分と同じ目をしたカイネが、大切な仲間を失いながら復讐へ突き進もうとしている姿を見て、李牧はどうしても止めなければならなかったのでしょう。
そして李牧はカイネに対して、仲間たちの命だけではなくカイネ自身の命も何者にも代えがたい守るべきものだと伝えています。
カイネにとって、この言葉は非常に大きかったのではないでしょうか。
家族を失ってからのカイネは、自分の命よりも復讐を優先していたように見えます。
そんなカイネに対して李牧は、失った人間のために死ぬのではなく、今そばにいる人間と自分自身の命を守ることの大切さを伝えたことになります。
現在のカイネが李牧を強く慕っている理由も、この雁門時代の出来事を最後まで見れば理解できるようになるのかもしれません。
李牧に突然の更迭命令
李牧から過去の話を聞いたことで、カイネの中でも少しずつ変化が起き始めたように見えます。
これまでのカイネは、李牧が匈奴を恐れて逃げているだけだと考えていたのでしょう。
しかし李牧自身も家族や仲間を失い、復讐の先に何が待っているのかを経験していたことを知りました。
さらに李牧が戦わない理由も、匈奴を恐れているからではなく、現在の兵力では勝てないと冷静に判断した結果です。
カイネにとって李牧を見る目が大きく変わり始める場面だったのではないでしょうか。
ところが、そんな二人のところへ馬風慈がとんでもない知らせを持ってきます。
匈奴と戦おうとしない李牧に対して趙王が怒り、李牧を雁門の任務から更迭して邯鄲へ呼び戻すよう命令したというのです。
李牧が雁門へ赴任してから、兵士は一人も死んでいません。
民にも犠牲者は出ておらず、羊一匹すら奪われていない状態です。
雁門の太守が李牧へ抱きついて喜ぶほど大きな成果を残しているにもかかわらず、敵を倒していないという理由で更迭されるのであれば、李牧にとっては納得しにくい命令でしょう。
ただし、この更迭命令が李牧の考えを変えるきっかけになる可能性があります。
李牧はカイネに対して、匈奴を討つためには十万の兵が必要だと語りました。
逆に考えれば、十分な兵力さえ与えられれば李牧には匈奴を倒すための構想がすでにあるということではないでしょうか。
李牧は単騎で匈奴側の地形まで調査し、侵入経路や騎馬軍の特徴まで把握しています。
これまでの守備戦も、単に時間を稼いでいただけではなく、将来的に匈奴を討つための情報収集を兼ねていた可能性もありそうです。
891話の最後で李牧に更迭命令が下されたことで、雁門編はさらに大きく動き始めました。
李牧は素直に邯鄲へ戻るのでしょうか。
それとも雁門を離れる前に、匈奴との戦いへ向けた新たな動きを見せるのかもしれません。
今回明らかになった李牧の壮絶な過去と合わせて考えると、これから描かれるのは李牧がなぜ匈奴との戦い方を変え、後に恐れられるほどの将軍になったのかという原点なのだと思います。
キングダム892話展開予想

キングダム891話では、匈奴と戦おうとしない李牧に対して、ついに趙王から更迭命令が下されました。
李牧が雁門へ赴任してから、匈奴によって殺された兵や民は一人もおらず、羊一匹すら奪われていません。
それだけを見れば李牧の作戦は大成功であり、雁門の太守である北守様が大喜びするのも当然でしょう。
しかし李牧は匈奴を一人も討っておらず、戦って勝利したという分かりやすい戦果を残していません。
そのため雁門から遠く離れた邯鄲では、李牧が匈奴を恐れて逃げ続けているように見えている可能性があります。
そんな李牧に対して下されたのが、雁門から更迭して邯鄲へ呼び戻すという命令でした。
ただし李牧は891話で、匈奴を討つためには十万規模の兵力が必要だとカイネへ説明しています。
これは見方を変えれば、十分な兵力さえあれば匈奴に勝てるという意味にも取れるでしょう。
李牧はすでに単騎で匈奴側の地形を調査し、進軍経路まで把握しています。
これまで逃げ続けているように見えた時間も、実際には匈奴を倒すために必要な情報を集める期間だったのかもしれません。
892話では更迭命令を受けた李牧がどのような決断を下すのか、そしてカイネが李牧に対する考え方をどのように変えていくのかが重要になりそうです。
更迭命令
892話は、馬風慈から更迭の知らせを聞いた李牧の反応から始まる可能性が高いでしょう。
カイネは当然ながら納得できないと思います。
これまで李牧の戦い方に反発してきたカイネですが、891話では李牧が雁門へ赴任してから誰一人として犠牲者が出ていないことを知りました。
さらに李牧自身も過去に家族を失い、復讐のために戦った結果、従兄弟や幼馴染まで失った経験を持っていることが明らかになっています。
カイネにとって李牧は、臆病だから戦わない人物ではなくなりつつあるのでしょう。
そんなタイミングで李牧を更迭するという命令が届けば、今度はカイネが趙王に対して怒りを爆発させても不思議ではありません。
一方の李牧は、意外なほど冷静に命令を受け入れるのではないでしょうか。
李牧は自分の名誉を守るために戦っているわけではなく、雁門の兵と民を守ることを最優先にしています。
王命に逆らって自分が反逆者として扱われれば、雁門の人々まで巻き込む可能性があるため、簡単には逆らえないでしょう。
ただ、ここで問題になるのが李牧の後任です。
李牧が雁門を離れた直後、新しい総司令が匈奴との決戦を命じれば、これまで一人も失わずに守ってきた兵や民が一気に危険へさらされます。
李牧が最も恐れるのは自分が更迭されることではなく、自分が去った後に雁門の人々が無謀な戦いへ駆り出されることではないでしょうか。
そのため892話では、李牧が王命を受け入れながらも、雁門を守るための最後の準備を始める可能性があります。
李牧を守ろうとする?
今回の更迭命令は、カイネと李牧の関係を大きく変える出来事になるかもしれません。
少し前までのカイネは、戦わない李牧に対して激しい怒りをぶつけていました。
匈奴が家族を殺した仇である以上、戦わずに逃げ続けることなど到底受け入れられなかったのでしょう。
しかし891話で李牧の過去を知ったことで、その考え方が変わり始めています。
李牧もかつてはカイネと同じように復讐に取りつかれ、敵将を討つことだけを考えて戦っていました。
そして実際に敵将を討ち取ったものの、その代わりに従兄弟や幼馴染を失い、自分だけが残されることになります。
李牧が守りに徹しているのは臆病だからではなく、自分と同じ苦しみを誰にも経験させたくないからだったのでしょう。
その事実を知った直後に李牧が更迭されるとなれば、カイネの感情は大きく揺れると思います。
これまでは李牧に反発していたカイネが、今度は李牧を雁門から追い出さないでほしいと訴える側へ回るかもしれません。
この変化は、現在のカイネにつながる重要な場面にもなります。
現在のカイネは李牧に絶大な信頼を寄せ、何があっても李牧を守ろうとする人物です。
ところが雁門時代のカイネは、李牧に刃を向けるほど反発していました。
その間に何があったのかを描くための回想が現在続いていると考えれば、892話以降でカイネが李牧を信頼する決定的な出来事が必要でしょう。
更迭されようとしている李牧をカイネが初めて守ろうとするのであれば、二人の関係が逆転する大きな転換点になると思います。
十万の兵
891話で特に気になるのが、李牧が匈奴を討つには十万規模の兵力が必要だと具体的に語ったことです。
単純に現在の雁門では戦えない理由を説明するだけなら、兵力が足りないと言うだけでも十分だったでしょう。
それにもかかわらず具体的な規模まで語ったのであれば、今後の展開につながってくる可能性があります。
李牧は匈奴と戦うこと自体を否定しているわけではありません。
現在の兵力で戦えば負けるから戦わないだけであり、勝てる条件が整えば話は変わってくるのでしょう。
さらに李牧は雁門へ赴任してから、単騎で国境の奥深くまで入り込んで地形を調査しています。
匈奴がどこから現れ、どの道を使って村へ向かうのかまで把握していました。
表向きは避難するための調査ですが、同じ情報は匈奴を迎え撃つ際にも利用できます。
敵の進軍経路を把握しているのであれば、伏兵を置く場所や匈奴を誘い込む場所まで考えることができるからです。
そう考えると李牧は、守りに徹しながらも匈奴を倒すための準備を少しずつ進めていたのかもしれません。
必要なのは最後の兵力だけだったのでしょう。
892話で李牧が邯鄲へ戻ることになれば、この十万という数字が趙王や中央の人間へ伝わる展開も考えられます。
李牧に戦えと言うのであれば、戦うために必要な兵を与えてほしい。
そんな要求を李牧が突きつけることになれば、これまでの不戦逃避から物語が大きく変わり始めるのではないでしょうか。
猛反対する?
李牧の更迭に対して、カイネ以上に反発する可能性があるのが北守様です。
891話では李牧が赴任してから羊一匹すら奪われず、兵も民も一人として殺されていないことを大喜びしていました。
北守様にとって重要なのは、匈奴を何人倒したかではありません。
自分が治める雁門の民が生きていることこそ最大の成果でしょう。
それだけに李牧を更迭するという命令は受け入れ難いはずです。
中央から見れば、李牧は匈奴と戦おうとしない臆病な将に映っているのかもしれません。
しかし実際に雁門で暮らしている人々からすれば、これほど頼りになる総司令はいないでしょう。
北守様が趙王へ李牧の更迭を撤回するよう訴える展開も考えられます。
ここで李牧に対する中央と現地の評価が正反対になっていることが描かれると、今後の李牧の人生にもつながってきます。
李牧は後に趙を何度も救う存在になりますが、王都との関係には苦しめられることになります。
雁門時代からすでに、現場では圧倒的な結果を残しているのに中央から理解されないという構図が始まっていたのでしょうか。
892話で北守様が李牧を必死に引き留めることになれば、李牧がどれほど雁門の人々から信頼されるようになったのかも分かると思います。
大攻勢を仕掛ける?
李牧の更迭と同じタイミングで、匈奴側にも動きがあるかもしれません。
李牧が赴任してから一年近く、匈奴は羊一匹奪うことができず、人間を一人も殺せていません。
略奪を目的として雁門へ侵入しているのであれば、匈奴側にとってこれほど面白くない状況はないでしょう。
しかも李牧によって侵入経路を読まれ、狼煙や障害物によって何度も先回りされています。
匈奴側も、これまでと同じやり方では何も奪えないと気づき始めるはずです。
そこで李牧が更迭されるという情報を匈奴が知れば、最大の好機になるでしょう。
李牧が雁門を離れた直後を狙って大軍を動かす可能性があります。
逆に李牧がその動きまで予測している展開も面白いと思います。
自分がいなくなれば匈奴が攻めてくる。
だからこそ李牧は、あえて更迭命令に従う姿勢を見せながら匈奴を誘い出すのかもしれません。
これまで何度攻めても獲物を得られなかった匈奴が、李牧が消えたと判断して一気に雁門へ押し寄せる。
そこに李牧が仕掛けた罠が待っているのであれば、これまでの防衛戦がすべて大反撃への準備だったことになります。
892話ですぐに決戦まで進まなくても、匈奴の大軍が動き出したところで終わる可能性はありそうです。
勝つまで戦わない?
雁門編で描かれている李牧の本質は、戦いを嫌っていることではないと思います。
李牧は勝てない戦いをしないのでしょう。
カイネは家族を殺された怒りから、勝敗を考えずに匈奴へ向かおうとしました。
若い頃の李牧も同じだったようです。
敵将を討つという目的だけを見て突き進み、結果として大切な仲間を失ってしまいました。
その経験があったからこそ、現在の李牧は勝てない状況では絶対に戦わない人物になったのでしょう。
しかし逆に考えれば、勝てる条件が揃った時の李牧は一切ためらわないはずです。
兵力、地形、敵の進軍経路、匈奴の戦い方。
李牧はこの一年で多くの情報を集めています。
さらに匈奴は、雁門軍が自分たちを恐れて砦から出てこないと思い始めているかもしれません。
そこまで相手を油断させることまで李牧の計算だったのであれば、不戦逃避という作戦の意味が完全に変わります。
逃げ続けていたのではなく、敵が油断する瞬間を待っていたことになるからです。
892話では、これまで防御だけを考えているように見えた李牧から、初めて匈奴を倒すための言葉が出てくるのではないでしょうか。
その瞬間、カイネも李牧という人物の本当の恐ろしさに気づくことになると思います。
現在の河了貂へ戻る?
もう一つ考えておきたいのが、892話で回想が終了する可能性です。
現在の物語では河了貂が趙軍に捕らえられ、カイネが河了貂を助けるために行動したところから雁門時代の回想へ入っています。
そのため、この回想には現在のカイネの行動を説明する意味があるのでしょう。
かつてのカイネは、家族の復讐のためなら自分の命を捨てても構わない人物でした。
しかし李牧は、仲間の命だけではなくカイネ自身の命も守るべきものだと教えています。
現在のカイネが敵である河了貂を見捨てず、危険を冒してまで守ろうとしている姿には、雁門で李牧から教えられたことが影響しているのではないでしょうか。
892話で李牧の更迭に関する出来事まで描き、カイネが李牧を信頼するきっかけが完成すれば、回想を終えるタイミングとしては自然です。
そして場面が現在の牢へ戻れば、過去と現在のカイネが強く対比されることになります。
家族の仇を討つことだけを考えていた少女が、現在では敵であっても守るべき命を守ろうとしている。
その変化を生み出した人物こそ李牧だったということになるでしょう。
ただ、李牧がどのように匈奴を倒したのかまで描くのであれば、雁門編は892話だけでは終わらないと思います。
更迭命令をきっかけに李牧が反撃へ向かい、893話以降で匈奴との本格的な戦いが描かれる可能性も十分にありそうです。
キングダム892話展開予想まとめ
キングダム892話では、891話の最後で下された李牧の更迭命令をきっかけに、雁門編が大きく動き始めると予想します。
李牧が雁門へ赴任してから、兵も民も一人として匈奴に殺されておらず、羊一匹すら奪われていません。
現地では雁門の勝利とまで称えられているにもかかわらず、匈奴と直接戦っていないことを問題視されて更迭されるのであれば、中央と現場では李牧に対する評価がまったく違うことになります。
ここでカイネや北守様が李牧を引き留める可能性もあるでしょう。
特にカイネは891話で李牧の過去を知ったばかりです。
これまで李牧を臆病者だと思っていたカイネが、今度は更迭されようとしている李牧を守ろうとするのであれば、二人の関係が大きく変わる瞬間になります。
そして最も気になるのが、李牧が語った十万規模の兵力です。
李牧は匈奴と戦いたくないのではなく、現在の戦力では勝てないから戦っていません。
すでに地形や侵入経路を調べ尽くしていることを考えると、十分な兵力さえ手に入れば一気に反撃へ転じる準備が整っている可能性があります。
更迭命令によって李牧が邯鄲へ戻るのか、それとも逆に匈奴との決戦へ向かうきっかけになるのでしょうか。
891話まで戦わない李牧を徹底して描いてきたからこそ、892話以降では勝つために戦い始める李牧の姿が描かれるのだと思います。
まとめ
キングダム891話では、これまで逃げ腰にも見えていた李牧の不戦逃避が、実際には徹底的な準備と計算によって成り立っていたことが分かりました。
李牧は単騎で匈奴側の奥まで入り込んで地形を調べ、敵が雁門へ侵入する経路を把握しています。
さらに狼煙による連絡網や進軍を遅らせる障害物まで用意することで、匈奴が到着する前に民と家畜を安全な場所へ避難させていました。
その結果、李牧が雁門へ赴任してからは兵も民も一人として殺されず、羊一匹すら奪われていません。
敵を何人倒したのかではなく、味方を何人守ることができたのかを重視する李牧らしい戦い方だったと言えるでしょう。
一方で、家族を匈奴に殺されたカイネには、その考えを簡単に受け入れることができませんでした。
そんなカイネに李牧が語ったのが、家族の仇を討つために命令を無視して敵将を追い続けた若者の話です。
若者は最終的に敵将を討ちましたが、共に戦った従兄弟や幼馴染たちを失い、自分一人だけが残されてしまいました。
復讐を成し遂げても残ったのは達成感ではなく、耐えがたいほどの喪失だったという李牧の話から、その若者がかつての李牧自身だった可能性は高そうです。
だからこそ李牧は、かつての自分と同じように復讐へ突き進もうとするカイネを止めたのでしょう。
仲間の命だけではなくカイネ自身の命も何者にも代えられない守るべきものだという言葉は、後にカイネが李牧を深く信頼するようになる大きなきっかけになるのかもしれません。
しかし、雁門ではこれほど大きな成果を残しているにもかかわらず、891話の最後で李牧に更迭命令が下されました。
匈奴と戦わない李牧に対して趙王が怒り、雁門から外して邯鄲へ呼び戻すというのです。
李牧はカイネに、匈奴を正面から討つには十万規模の兵力が必要だと説明していました。
つまり李牧は匈奴と戦う意思がないのではなく、現在の戦力では勝てないから戦わないだけなのでしょう。
すでに地形や匈奴の侵入経路まで調べ尽くしていることを考えると、十分な兵力さえ手に入れば李牧が一気に攻勢へ転じる可能性もあります。
李牧はこのまま更迭されて雁門を去ってしまうのでしょうか。
それとも今回の更迭命令が、後に匈奴を震え上がらせる李牧の本格的な戦いにつながっていくのかもしれません。
キングダム892話では、突然の更迭命令を受けた李牧の決断と、それを知ったカイネがどのような行動を取るのかに注目です。


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