いよいよ物語は趙との最終決戦に向けて動き始めました。847話では咸陽に集った秦の将軍たちの姿や、武安に入った李牧の様子が描かれました。
趙側も趙忽や顔聚といった新しい武将が登場し、さらに三大天・司馬尚の姿も確認されました。
ここまで勢揃いすると、いよいよ秦と趙の総力戦が始まるのだと実感します。
この記事では史実を踏まえながら、李牧の最期に至る背景や、848話の展開予想まで掘り下げていきたいと思います。
「キングダム」李牧との決戦考察!李牧の立場と史実での最期
李牧は戦国七雄の中でも屈指の名将とされ、特に防衛戦での才覚には群を抜くものがありました。
燕の雁門で騎馬民族を撃退した功績や、長平の戦いでの惨敗後も秦を退け続けた実績は、趙の国を長く存続させる大きな要因でした。
しかし史実によると、紀元前229年の秦の大侵攻に対抗していた李牧は、国王・幽繆王からの不信と郭開の讒言によって失脚させられます。
その後、同僚の将軍・司馬尚が免職になり、李牧自身は処刑されてしまうのです。
私が初めてこの史実を知ったとき、戦の趨勢によってではなく、宮廷政治の都合で名将が命を落としたことに大きな無念さを感じました。
まさに「戦場で敗れるのではなく、権力闘争に敗れた」と言える最期でした。
李牧が示した戦略眼
李牧は徹底して「守り」に重きを置いた将軍です。
地形を利用し、補給線を守り、敵を消耗させてから反撃に転じる。
現代的にいえば、防衛戦略の基本をすでに確立していた人物でした。
もし李牧が邯鄲の戦いでも完全に采配を振るえていたなら、秦軍の侵攻はかなりの時間を要したでしょう。
趙が滅ぶ時期は大幅にずれ込み、戦国のパワーバランスも変わっていた可能性があります。
「キングダム」ではこの李牧の冷静な戦略と、信や王翦の攻めの戦術が正面からぶつかることになるはずです。
私はこの対比こそが物語の核心だと思っています。
「キングダム」李牧との決戦考察!趙国内の不穏な空気
847話で描かれた武安のシーンでは、李牧とカイネが初日の出を眺める場面がありました。
平和なひとときに見える描写でしたが、実際には趙の国内事情は安泰とは言えません。
史実で言えば、幽繆王は優柔不断で猜疑心の強い君主でした。郭開のような奸臣が権力を握り、李牧のような忠臣が排除される体制ができあがってしまっていたのです。
李牧自身もそれを理解していたはずで、初日の出のシーンには「この戦いが最後になるかもしれない」という暗示を感じました。
私自身、李牧が静かに遠くを見つめる場面を読んだとき、武将としての覚悟だけではなく、人としての諦観のようなものが漂っているように感じました。
司馬尚という切り札
司馬尚は「キングダム」において三大天の一人として登場しました。
史実では実在が不明瞭な人物ですが、原作では李牧と並ぶ趙最後の大将軍として描かれています。
この司馬尚の存在が、趙の「まだ切り札が残っている」という期待感を強めています。李牧と司馬尚の二枚看板が揃えば、秦軍といえども容易には勝てないはずです。
ただし史実通りであれば、この二人は郭開の讒言で共に失脚します。
「キングダム」李牧との決戦考察!秦軍の布陣と政の号令
一方の秦では、咸陽に集められた将軍たちが士気を高めていました。
録鳴未や蒙恬、王賁といった次代を担う顔ぶれに加え、六大将軍の制度の復活によって王翦らが指揮を執ります。
政が「次に会うのは邯鄲だ」と宣言した場面は、まさに総力戦の始まりを告げる合図でした。
この言葉を読んだとき、私は鳥肌が立ちました。
これまで幾多の犠牲を払いながらも進軍を続けてきた秦軍が、ついに宿敵の本拠地へ挑む。
物語の緊張感は一気に高まったと感じました。
秦軍の強みと課題
秦軍の強みは、やはり攻めにあります。
王翦の冷静な采配と、信や蒙恬、王賁といった若手の勢い。
この二つが噛み合えば趙を突破することは可能でしょう。
ただし課題もあります。
それは戦の長期化に伴う補給線の維持です。
李牧が得意とするのはまさにこの補給を狙った作戦で、秦軍にとっては最大の懸念材料になります。
「キングダム」李牧との決戦考察!展開予想
次回848話では、いよいよ趙と秦の布陣が動き始めるのではないでしょうか。
まず趙側では、李牧が武安から邯鄲に戻り、戦略会議を開く可能性があります。
趙忽や顔聚の力量が初めて具体的に描かれるかもしれません。
二人がどのような戦術を得意とし、李牧の布陣にどう組み込まれるのかが見どころになるでしょう。
一方の秦側は、王翦の進軍命令が下り、信たちの軍が趙領へと入っていく場面が描かれると予想します。
最初の小競り合いは趙側の新将軍が担当し、その結果で実力が示される展開になるかもしれません。
私が個人的に注目しているのは、咸陽から動いた政の思惑です。
秦王として「邯鄲で会おう」と宣言した以上、ただの戦勝ではなく「完全勝利」を求めているはずです。
848話以降、政の描写が増えることで、この戦いの重みがさらに増していくのではないでしょうか。
李牧とカイネの関係性
848話では李牧とカイネのやり取りが再び描かれる可能性もあります。
カイネは李牧を心から慕っており、その忠誠心は趙の将たちの中でも際立っています。
李牧の失脚が避けられない運命だとすると、カイネがどのような行動に出るのかは大きな見どころです。
私自身、カイネの存在は李牧を人間として見せる大事な要素だと思っています。
戦略だけではなく、誰かに慕われる人間性を持つ将だからこそ、李牧の最期は強く胸に迫るのでしょう。
まとめ
李牧との決戦は「キングダム」における最大のクライマックスです。
史実では郭開の讒言により失脚し、趙は一気に滅亡へと向かいます。
しかし漫画ではその過程がより壮大に描かれることになるでしょう。
848話では趙と秦の布陣が本格的に始まり、いよいよ最終決戦の序章が幕を開けると予想します。
李牧の采配、司馬尚の存在、趙忽や顔聚の実力。
そして秦軍の若き将たちの挑戦。すべてが重なり合って、物語は最高潮へと進んでいくはずです。
私にとって「キングダム」を読む時間は、ただの娯楽ではなく「歴史を追体験する感覚」に近いものがあります。
李牧のような人物が実際に存在したこと、その最期が政治によって決まってしまったこと。
その事実を思うと、戦場よりも人の心の中にこそ、勝敗を分ける決定打が潜んでいるのだと気づかされます。
いよいよ始まる趙との決戦。次の848話ではどのような布石が打たれるのか、その一手一手をじっくりと見届けたいと思います。
コメント